私は建物解体の仕事をしてきたので、行政代執行による空き家の解体工事に関わる機会がありました。
仕事を通してとても身近に感じていたこと、北陸新幹線開業で京都のように民泊が来るらしいとか関心が高く、数年前から地道に調査していました。
空き家対策は先進地を見習うのが何より手っ取り早いと思います。
京都府行政書士会では空き家対策について基本書をまとめています。以下リンク
空き家対策の解決方法は同じでも、地域による事情の違いが必ず生まれます。
そこで、専門家の養成や役割の定義、コーディネーターの育成が重要になってくるのです。
あわら市は2021年3月、県で3例目となる県司法書士会との協定を結びました。
畑明日香「空き家対策事業で司法書士会と協定(あわら市)」『日刊県民福井』、2021年4月2日、朝刊、4面。の記事では、「市は協定に基づき、空き家対策に関する相続や所有者の相続人調査依頼など、同会と連携して空き家対策を勧めていく。」とある。
あわら市の空き家対策について考察すれば、対策の主体であるはずの地域の存在が抜けているように見える。
登記や相続など法的な要件を解決することや、建物を管理しまたは壊すことはあくまで手段の話であり、空き家対策の目的ではない。
京都の事例ではそれら専門家による解決が新たに問題を起こしたり、地域に遺恨を残したりしている。
空き家対策とは近所迷惑の解消が目的だから、地域のリーダーやコーディネーターが主体となって問題を分析して、個々の案件を専門家が解決するというプロセスが必要だ。
地域が自力で問題を解決できるようにサポートするのが本当の意味での空き家対策なのである。
分析や進行を外注に頼るのではなく自主的に行えるよう、空き家対策コーディネーターや地域のリーダーの研修などで人材育成するべきだ。
これらは「まちづくり」という大きな目的の中の1つなのだから。